2016年

2月

13日

おひとり様消費

2016年2月14日(日曜日)

今年に入って、2016年の日本経済のポイントについて3つのキーワードを紹介させていただきました。

その3つのキーワードとはつ以下の3つです。

1.シェアリングエコノミー

2.サブスクリプションモデル(定期定額購買モデル)

3.おひとり様消費

1~2は、前々回と前回の2回にわたり説明させていただきました。

本日は、3つめのおひとり様消費についてお話ししたいと思います。

ご存知のように、日本の人口動態は、大きく俯瞰すると人口減少と少子高齢化という量的問題と質的問題を抱えています。

そして、その中での家族構成も大きく変化しています。

それは、単身世帯の増加です。

日本の世帯の構成人数別割合を見てみましょう。

「国立社会保障、人口問題研究所 2014年の将来推計」から

単独世帯  33.1%

夫婦のみ  20.4%

夫婦と子供 27.2%

一人親と子 9.3%

その他   10.0%

となっていて、単身世帯が最も多くなっています。

3世帯のうち1世帯は単身世帯となっているということです。

また、その傾向がますます高まっていく傾向にあります。

その原因は、いくつかあると思います。

1.高齢者夫婦を中心とした死別

2.離婚・別居

3.未婚・晩婚傾向

などです。

長年付き添ってきた伴侶と死別というつらい経験をして一人暮らしを強いられている単身世帯の方も多くおられることと思います。

しかし、世の中をよく見るとそういう方々だけで単身世帯が構成されているわけでもありません。

女性の方で伴侶と死別された方々の中には、その悲しい状態から回復して生き生きと仕事や趣味に活躍されている方も多く見受けられます。

別の要因としては、未婚・晩婚傾向が進行しており、20代で結婚する比率はどんどん下がってきています。

今現在の日本の単身世帯の増加傾向の中身は、致し方なく単身世帯となっている人々と、単身世帯を自ら選択する人々の双方の増加があることが分かります。

これには、社会的背景があると思われます。

大家族制から核家族になり単身世帯の増加という集団から個への移行の背景は、歴史的な働き方と価値観の変化が影響しているようです。

それは、農業や漁業など第1次産業が中心の時代には、家族・親族などの血縁を中心とした人数の絶対数が重要であり、その土地から労働集約的に収入を得ていた時代は、大家族であることが必要とされました。公衆衛生も低レベルでありたくさんの子供を作る必要性もあったと思います。

それが、工業化社会に入り社会の帰属が家や土地よりも、企業という単位に移行することにより、大家族ではなくても核家族の単位で生活できるようになりました。その方が、若い人にとっては自分の意志で活動できる範囲が拡大して、自分自身の自由な決断で生活していけるという社会になっていきました。

そして、時代は、工業社会からサービス業主流の社会へと進展しました。

一人当たりGDPが30,000ドルを超えたころから、家族からさらに単身世帯へと移行していく過程が始まります。

それは、家族構成が核家族となり、公衆衛生の向上により子供の数が2人か1人になってきて、一人ひとりに自分の部屋が与えられるという個人だけの空間を持つことが当たり前のこととなったころからスタートしているのではないかと思います。

このような個室を持つ世代は、人間関係が面倒になったらいつでも自分だけの空間に逃げ込むことができる時代に生きてきました。

我々が子供の頃には、4畳半に4人5人さらには6人家族が住んでいるなどということはそんなに珍しいことではありませんでした。

今の若い人には、信じられないことでしょう。

自分の部屋が当たり前に与えられて生活して、社会人になり企業に就職した人たちは、一人でいることの心地よさと社会との結びつきの狭間で揺れながら生活をしています。子供のころから自分の部屋が存在し、その中で自分の好きなことだけを自由にやってきた世代には、社会的な人間づきあいの間合いのようなものがとてもストレスに感じるのかもしれません。

そんな歴史的社会背景を土台にしながら単身世帯の増加に拍車をかけたのが、住環境(ワンルームマンションの増加)とコンビニエンスストアや外食産業とりわけファーストフードの発達です。

この2つがあれば、単身世帯も基本的に食事で困ることはありません。

仕事やアルバイトをして、コンビニエンスストアやファーストフードで食事をして、ネットでゲームや音楽やSNSや動画を楽しむ単身生活ができる環境が整っています。

しかし、単身世帯は先ほども書いた通り、若い人だけではなく中年層や高齢にも拡大しています。

中年層や高齢層の人達は、それなりに所得もあり、また、モノや食事に対してもそれなりのこだわりを持っていますので、現在のファーストフードでは満足していないニーズを持っています。

カラオケなども、今はひとりで行くことも普通の時代になりました。

コンビニエンスストアはもちろん、最近ではスーパーマーケットでもひとり消費に対する少量販売のスペースが拡充されつつあります。

これからは、外食の中で、一人でも快適に食事できるレストランなどが伸びてくると思いますし、観光や宿泊などもおひとり様用の施設・サービスなどもビジネスチャンスとして捉えていく必要があると思います。