2016年

2月

21日

マイナス金利導入

2016年2月21日(日曜日)

日銀は、マイナス金利を導入しました。

マイナス金利を導入するのはどういうときかというと、基本的には、経済がデフレーション状態にある、または、デフレーションに向けて強いモメンタムが働いている時ということではないでしょうか?

しかし、内閣府および日銀が発表している経済見通しは、どちらも「日本経済は緩やかな回復基調にある」というものです。

通常、経済が緩やかに回復しているときにマイナス金利を導入したりしないのではないでしょうか。

経済が回復基調にある状況でマイナス金利を導入した場合、通常はインフレが急激に加速して、物価の急上昇ということになるので、通常は経済の回復基調では用いない金融政策と判断されます。

ということは、次のような推測がなされます。

1.政府も日銀も言っていることとやっていることが違う。

2.言っていることが正しければ、通常マイナス金利は導入しない。

3.やっていることが正しければ、発言を変える必要がある。

日銀の黒田総裁の発言を聞いていると、時々、怖いと思うことがあります。

「2%の物価上昇(インフレ率)を何が何でも達成する」

「やれることは何でもやる。」

という発言です。

我々国民は、2%の物価上昇を望んでいるわけではありません。

これは、「2%の物価上昇=国民の幸せ」または「2%の上昇なしには国民の幸福はない」という論理が成り立つのであれば正しいものであると判断されますが、果たしてそうでしょうか?

緩やかなインフレ率というのは、基本的に需要が供給を上回ってモノやサービスが需要に引っ張られて膨らんでいくことを前提にしています。

これは、人口構成がピラミッド型で、人口が緩やかに上昇していくパターンか、シンガポールのようにグローバル志向の国家運営で、世界の消費を自国の経済の中に入れ込んでいるような国の場合です。

しかし、日本のような高齢化社会でモノがあふれている成熟した社会では、家や車そして家具その他もほとんど揃っており、住宅などは日本全体とすればあまりまくって空き家がどんどん増えているような状態です。

住宅ローンなども、世界にもまれにみる低金利で35年フラットなどどいうローンの借り手が少ないという需要の低さです。

もしかしたら、ゼロ金利でもそんなに借り手が増えないかもしれません。

他の国だったら、一気に住宅バブルが起きることは間違いないでしょう。

日本の現状はむしろこうではないかと思います。

今お金を持っている人たちは、高齢者であり収入というフローはあまりなく、預金などを中心としたストックをたくさん持っている。

モノも十分持っており必要なものはそんなにない。しかし、将来に不安は持っている。

そういう人たちは、インフレよりもデフレを志向する。

なぜなら、持っているお金の価値がデフレ経済の中では、どんどん増していくから。ということが考えられます。

例えば、収入がほとんどないが預金を1億円持っていたとします。

インフレ経済の中では、その価値下がってい行くことになります。

つまり、預金金利が0.1%ついてもインフレ率が2%となれば、金利で10万円入りますが、実質的な1億円の価値は200万円ほど下がってしまうということになります。マイナス190万円となります。

逆に、万が一預金金利がー0.1%になってしまって、デフレが2%になったとします。この場合は、預金が10万円少なくなりますが、実質的な1億円の価値は200万円ほど上がるということになります。

このような人たちにとってインフレはあまりありがたい話ではないですし、そのような人たちが、どんどん増えているという人口構成になっています。

現状の日本はこのような状況ではないかと分析しています。

黒田総裁は、これまでのマクロ経済学を基本として、金融政策をどんどん実施していますが、この政策が目標を達成できないで、むしろ、副作用が一気に日本経済と財政を悪くする可能性があります。

そのとき、黒田総裁は「私はやれることは全部やった」というのではないかと思っています。

緩やかな日本経済の回復基調とマイナス金利導入という言動の違いが気になったニュースでした。