2016年

3月

27日

主要耐久消費財の普及率から日本経済を読み解く

2016年3月27日(日曜日)

日本経済は、現在踊り場的な状況にあり、お金が市中に溢れていて金利もほぼゼロという状況にあるにもかかわらず、企業がお金を借りて国内に投資したり、家計がお金を借りて家や自動車などを買うという行動になかなか行かない状態になっています。

銀行なども、日銀に預け入れている預金の一部がマイナス金利となったことから企業への貸し出しや住宅ローン・マイカーローンなどへの貸し出しによる金利収入に力を入れ始めていますが、なかなか優良な借り手が見つからずに苦労しているようです。

そんな中、今日は、家計における耐久消費財の普及率の推移を見ることで、日本経済の消費部門になにが起きているのかを分析したいと思います。

データは、内閣府が出している「消費動向調査」のなかの「主要耐久消費財の普及率の推移(一般世帯)」から取らせていただきました。

まず、内閣府がまとめている耐久消費財とはどんなものかを見てみます。

普及率を比較する年は平成元年と平成26年と平成27年を抜粋して見ました。

                   平成元年   26年   27年

温水洗浄便座             データなし  76.0   77.5

先発洗面化粧台            データなし  70.4   71.5

システムキッチン           データなし  66.3   68.6

温水器                 33.4     56.5   58.9

衣類乾燥機               14.4     55.2         58.3

食器洗い機              データなし  30.9   32.6

ファンヒーター             45.4           59.9         59.1

ルームエアコン             63.3           90.6   91.2

空気清浄器              データなし  42.3   44.4

カラーテレビ              99.3           96.5         97.5

光ディスクプレーヤ-         データなし  71.3   73.8

ビデオカメラ              14.9           40.1         39.1

デジタルカメラ            データなし  76.5   75.2

パソコン                11.6    78.7   78.0

タブレット端末            データなし  20.9   28.3

ファクシミリ             データなし  57.4   56.2

携帯電話(スマホ)          データなし  54.7   60.6

携帯電話(スマホ以外)        データなし  73.7   69.8

乗用車                 76.0           81.0         80.1

以上が、内閣府から出されているデータの抜粋です。

これを見ますと、年ごとに普及率がアップしていくものと、逆にダウンしていくものがあることに気づきます。

温水洗浄便座などは順調に伸びでおり、これから伸びる余地もまだまだあると予想されます。それから、家庭の中で労働として行われていた炊事・洗濯・掃除・後片付けというような作業を自動化するものもまだまだ伸びる余地がありそうです。

逆に、カラーテレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パソコン、乗用車などは普及率が下がったり、横ばいで伸びでいないものも多くあります。

その原因は、いくつか考えられます。

第一の原因は、スマートフォンの機能の充実と通信速度の向上です。

今、テレビ離れが加速しており、視聴に費やす時間は高齢者はテレビが圧倒的に多いのですが、中年以下はテレビよりもスマホを見る時間が多くなってしまっています。

また、動画や画像を撮るにもかつてのデジタルカメラなどよりもはるかに画像のいい写真がスマホで撮れて、かつ撮った画像などをインターネット使って手軽に送ったり、SNSなどに投稿したりできます。

また、これは若い人に多いようですが、スマホの文字入力はものすごく速いのに、パソコンを持っていないのでエクセルを使えないなどという人も結構いるようで、その結果パソコンの普及率は落ちてしまっています。音楽や映像などもスマホのアプリで手軽に楽しめてしまうことから、スマホ1台あればテレビもラジオもカメラもパソコンもいらないというスマホセントリックな時代になってしまっていて、本来、それぞれの機器の販売をしてきた家電メーカーとしても非常に頭の痛い事態になっています。シャープ、東芝などの苦戦も頷けます。

また、車の普及率については、ピークは平成16年の86.4%でした。

平成27年は80.1%ですから、6%以上普及率が落ちています。

これは、高齢化という側面と、地方から都市部への人口の移動、そして所有から使用へという価値観の変化が原因であると考えられ、インターネットやクラウドそしてIOTなどの位置情報やセンサーを駆使したシェアリングビジネスなどにより加速していくと思われます。

このようにして見ますと、現在の日本においては、モノを売るという発想からトータル的なソリューションを提供しく中で、モノをどのように使用してもらい、そして継続的かつ定期的な課金をどのようにしていけるのかという発想になる必要があると思われます。

例えば、家電製品でも、一つひとつものを売っていくのではなく、家庭での生活のパターンを聞き取り必要なものを提案して、リースのような形にして故障があった場合に無料で交換したり、修理するというよな契約を交わして、新たに便利な家電が出たら提案していくというよなビジネスモデルが中長期的な売り上げ確保につながっていくと考えます。