FinTechが中小企業・個人にもたらすもの

2016年4月10日(日曜日)

昨年ぐらいから、FinTechについて、革命とか変革とか仰々しいタイトルで話題になっています。

ここで、FinTechについて専門家ではないのですが、今年発売された週刊ダイアモンドの特集を引用させていただいて、FinTechの大まかな概要とそして中小企業や個人にどのように影響するかなどを書いてみたいと思います。

結論から申しますと、FinTechの技術が進化していくと、金融に関して中小企業や個人についてメリットがかなりあると思います。

まず、FinTechの概要について触れたいと思います。

昨年から、メディアでも話題に上っているのでご存知とは思いますが、

FinTechとは、Finance(金融)とTechnology(技術)を合わせた造語です。

技術を申し上げる前に、FinTechの進化の背景を申し上げますと、

・インターネットの世界中でのインフラの整備

・スマートフォンを中心とするモバイル端末(コンピュータ)の普及

・他の商品やサービスなどの急激で便利なインターネットサービスから遅

 れた金融サービスの状況

などがあります。特に、お金にシビアで、資産運用に対してうるさい国民が存在し、インターネットバンキングが進んでいたり、資産運用サービスが活発で、かつ、シリコンバレーを中心としたインターネットを介したサービスを生み出すベンチャー企業がどんどん出てくるという土壌のあるアメリカで進化しています。

次に技術です。

・インターネット通信速度の進化

・クラウドコンピューティング

・ビッグデータ解析

・ブロックチェーン(個人の持つPCを利用した安価で堅固な分散型セキュリ

 ティシステム)

などによりFinTechによる金融サービスが進んでいます。

次に金融におけるサービスの対象です。

金融サービスにかかわるものついて、週刊ダイヤモンド社の特集では、マトリックスを作成して整理しています。

縦軸に

・お金を使う

・お金を借りる

・お金を殖やす(ふやす)

・お金を貯める

・お金を管理する

という5つの分類をして

横軸に

・大企業

・中小企業

・個人

という3つの分類をおいてマトリックスを作成し、先ほど述べた技術をつかいどのようなサービスが生まれているのか、また、生まれてくるのかをまとめています。

中小企業についていえば、有名なのが米スクエアが開発したモバイル端末決済です。クレジットカードでの支払いにおいては、お店はクレジット端末をおいて通信回線を使用して決済を行ってきましたが、スクエア社が開発した小さな機器をスマホに差し込むだけで、インターネットでクレジット決済ができるというものです。その場合、クレジット用の端末も通信回線も必要ありません。小さなお店でも、安全に簡単にクレジット対応が可能になりました。

また、中小企業で重要なこととして、今までお金を借りるという場合には、金融機関に対して決算書と計画書など非常に大量の資料を提出して、それから、決済が下りるまでにまた多くの時間がかかっていました。

しかし、クラウド上でサービスを展開している会計ソフトを使用して自動的にリアルタイムな売り上げと財務情報があれば、それを金融機関と共有することで計画的でタイムリーな融資が可能になるということです。この仕組みは、もうすでに広がっています。

さらに進んでいるのが、インターネット販売事業者(EC)の出店者に対するECモール事業者(アマゾン・楽天・ヤフーなど)の出店者に対する融資制度です。

ECのマーケットプレイスに出店する販売業者は、中小企業・零細企業も多く出店しており、例えば、メディアなどで話題となった商品について早急にかつ大量に仕入れたくてもまとまったお金がありません。今までのように金融機関からお金を借りていたのでは、与信審査などで時間がかかり借りれる時期になったらもう流行はピークとなっており、資金豊富な大手がほとんど市場を刈り取った後の落穂拾い状態になっていたりしました。

そこで、マーケットプレイスを展開するECモール事業者が金融機関に成り代わって出店者に対して融資をするサービスを開始しています。

しかも、手続き期間は、即日または翌日というスピードです。これなら、大手に対抗できますし、中小零細企業は、小回り自体は大手よりも上手なので価格設定も自由度が高まります。

このような融資制度を、金融機関は指をくわえてみているしかないという状況になっています。

なぜ、このような圧倒的なスピードで融資が可能となっているかについて、最も進んでいるアマゾンの例をとって説明しています。

基本的には、ECモール事業者はモールの出店者の日々のリアルタイムの取引履歴(売り上げ、成長性、顧客の評判)などほとんどの重要データを膨大に持っています。それを、ビッグデータ解析により、その出店者にはどれぐらいの金額をどれぐらいの利率で融資できるかを自動計算して算出できるシステムを構築しています。だから、即日または翌日という速さで融資が可能となります。また、アマゾンは販売代行サービスも手掛けているので、出店者の口座に売上金をまとめて払い込む際に、融資による返済金が差し引かれる仕組みになっていて、出店者へのお金の入り口を抑えているために貸し倒れのリスクがほとんどないという仕組みになっています。その融資のリピート率は60%に達するといわれているそうです。

さらに、アマゾンでは、融資の申請がなくてもすべての出店者を事前に審査して、融資可能と判断された出店者の管理画面に、融資可能額とそれに対する利率がまるで広告のように表示されるという徹底ぶりです。

融資による出店者の売り上げ向上は、豊富な品揃えという消費者のメリットにもなり、モール事業者・出店事業者・消費者の三方よしという商売の基本理念をかなえるシステムになっています。

これには、既存の金融機関もお手上げ状態です。

 

また、個人のお金を使う、借りる、殖やす、貯める、管理するにもFinTechサービスが進行しています。

・お金を使う

 電子マネー

 アプリ決済

・お金を借りる

 ローン借り換えアプリ

 ソーシャルレンディング

・お金を殖やす

 ロボットアドバイザー

・お金を貯める

 銀行アプリ

・お金を管理する

 家計簿アプリ

 資産管理アプリ

このように見てきますと、現在までエスタブリッシュメントとして君臨していた金融機関のサービスをかなり脅かすようなことがおきているという感じもします。

普通のモノやサービスと同様に金融サービスもIT技術によって便利になっていくと思われます。

詳しくは、週刊ダイヤモンド2016年3月12日号をご覧ください。