2016年

4月

24日

地震保険を考えてみる

2016年4月24日(日曜日)

4月14日21時ごろ熊本県を中心にした震度7の地震により被災された地域の方々はいまだに不安の中におられると思います。

今回の地震の特徴は、4月14日の地震発生から23日21時時点の9日間で震度1以上の地震が838回発生し、震度7の地震も2回起きており、復興に向けての生活開始よりも、いつまた大きな地震が来るか、また、雨などによる土砂災害起きる可能性もあり、復旧に対して始められる状況にも至っていないという精神的にも肉体的にも大変厳しい状況におられると思います。

阪神淡路・中越・東日本そして熊本と地震による大規模災害が日本を文字通り揺るがし続けています。

日本は地理的に見ても、太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートの4つのプレートの間に位置し、プレートが絶え間なく動いていることから、その歪が溜まりやすい構造です。そして今、高い確率で大地震が予想されている「南海トラフ」といわれるものは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの間、つまり、静岡から鹿児島の沿岸にそって位置する活断層の大きな溝のようなものです。

このほかにも、今回の熊本および大分で起きた地震も活断層に沿って発生しています。

このような状況から、地震保険の料率について2014年7月に平均15%、そして2017年1月から3回に分けて平均19%の料率アップが予定されています。

以上のことから考えると、国(財務省)と損害保険会社は地震による大規模な災害のリスクが高くなっていると判断していることが分かります。

そこで、今日は地震に対する保険について考えてみたいと思います。

地震保険の特徴は以下の通りです。

1.地震保険に関する法律に基づき、政府と損害保険会社共同で運営する。

  したがって、自動車保険などように損害保険会社によって値段が変わる

  ということはない。

2.火災保険とセットでなければ加入できない。

  (火災保険の途中に地震保険を付加することは可能)

3.建物と家財の2つ対して保険をかけることができる。

  (生命は対象にならない)

4.地震保険の保険金額は、火災保険の30%~50%

  全損・半損・一部などに分類されて金額が決定される。

5.地震が原因とされる揺れ、地番沈下、火災、津波、火山爆発などでの

  建物や家財の損害が保険対象となる。

6.保険料率は2つの要件によって決まる

  ①なにでできているか?

   ・イ構造(非木造:主としてコンクリート造や鉄骨造)

   ・ロ構造(木造:ただし耐火建物につていはイ構造)

  ②どこ(県)にあるか(建物および家財)

以上のような特徴があるようです。

情報元:価格.com保険、All about

さて、6の②のどの県にあるかで保険料率が左右されるということですが、県別に3つ「等地」に区分されています。

1等地(一番保険料率が低い)

岩手県、秋田県、山形県、栃木県、群馬県、富山県、石川県、福井県、鳥取県、島根県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、長野県滋賀県、岡山県、広島県

2等地

福島県、北海道、青森県、宮城県、新潟県、岐阜県、京都県、兵庫県、奈良県、大分県、宮崎県、沖縄県、山梨県、香川県

3等地(一番保険料率が高い:3等地はその中で差がある)

茨城県、埼玉県、大阪府、愛媛県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、和歌山県、徳島県、高知県

以上が、県別の等地区分です。なにか格付けされているようで区分の名称が気に入らないという方もおられると思いますが、更に、県別の区分ということで分けていいのか?という疑問を持たれるのではないかと思います。

この点については、現在も財務省と損害保険会社や専門家などで構成される「損害保険料率算出機構」というところで議論されています。

たとえば、兵庫県は2等地に分類されていますが、兵庫県は日本海にも面しており、その地域が鳥取県や島根県などの1等地とどう違うのかと言われるとあまり違いがわかりません。

リスクに応じてさらに細かい分類をすべきという議論と、相互補助という観点からあまり細かな分類は地震保険の設立の基本にそぐわないというような議論があるようです。

地震というのは、予測が大変難しいものであり、かつ、火山、地盤、建物の密集度、津波の可能性などの要素を加えるとリスク試算がさらに難しくなるという要素があります。

しかし、一方でリスクの確率をできるだけ正確に出していくことで、料率を細分化するにより、保険加入しやすくなるという側面もあります。

特に、津波については危険区域とそうでない区域は、明確に判断できますがその区分はなされていません。

過去に何度も津波が発生し、今後も地震があった際には津波のリスクが高いとされる地域の保険料率を上げることによって、そのリスクの高さを認識して、津波の来ないような高台への建物の建築を促すということも考えられます。

地震というのは、世界的に見ても日本で多くの被害が発生していますが、科学的にも統計的にもまだまだ解明されていない部分が多くあります。

自動車保険のように、短期間(100年単位)で走行距離と事故の相関関係が統計的に判明しているようであれば細分化が可能となっていますが、地球という何億年単位の時間スパンの中で発生している地震についての統計データというのはないので、なかなか細分化も難しいかもしれません。