2016年

7月

31日

日本経済上半期の感触

2016年7月31日(日曜日)

今日は、東京都知事選挙の日です。

東京の未来を担う知事が誕生していただくことを心から願うばかりです。

さて、7月最後の日ということになりましたが、改めて日本経済の上半期の経済動向についてお話ししたいと思います。

政府は、秋に経済対策として28兆円にも伸ぼる予算を計上しようとしており、その中には低所得者向けに現金を支給するというものも入っています。

その目的は、低所得者への現金給付により消費の底上げを図るということですが、私の予測では、格差に対する不満のガス抜きには成り得るが、消費に回る部分はほとんどないと予測しています。

さて、上半期の日本経済についてですが、まだ、正式な統計などは8月の中旬になりますので、私の個人的な感触を述べたいと思います。

まず、実質賃金についてです。

三井住友アセットマネジメントのマーケットレポートデータを見ますと、

「厚生労働省が5月9日に発表した3月の毎月労働統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によれば、物価の変動を考慮した『実質賃金』は前年同月比で1.4%増になりました。2か月連続でプラスとなり、伸び率が一段と高まりました。2010年9月以来5年ぶりの高水準です。名目賃金にあたる現金給与総額は27万8,501円と、同1.4%増となり、2014年7月以来の伸び率でした。3月は基本給などの所定内給与は同0.4%増でしたが、一部企業のボーナスなど特別に支払われた給与が同19.8%増となり、賃金を押し上げました」

という内容が記載されています。

名目賃金と実質賃金の両方が同率で伸びているということは、一般的に可処分所得が増加したということであり、消費のほうに回る確率も高くなるということが考えられます。

しかし、百貨店の売り上げなどとみるとそうではないようです。

産経新聞のENAKの記事によると、

上半期「消費の力まだ弱い」

百貨店売上高 9年連続マイナス

日本百貨店協会が7月18日にまとめた今年上半期(1~6月)の全国の百貨店売上高は、前年比0.3%減(既存店ベース)の3兆7140億円で、9年連続のマイナスとなった。

という内容です。

これから、スーパーやコンビニエンスや飲食業界の上半期統計が出てくると思いますが、景気判断は全体的に低調です。

名目と実質の賃金が伸びているにもかかわらず、それが消費に回らないというのが現状ではないかと予測します。

そもそも、名目賃金と実質賃金の伸びが同じということは、物価の上昇が起きていないことを意味します。実質賃金は名目賃金に物価上昇や下落の率を勘案して出されますので、両方が同じということは物価の変動がほとんどないことを意味します。政府と日銀の目指す2%のインフレ率は目標設定以来先延ばしにされてきましたが、ここにきてもまったく近づく気配がなく、政府も秋の経済対策でなんとか実現に向けて動いているようです。

私は、一貫して日本経済のポイントは「人口減」「少子高齢化」「労働人口の減少」「社会保障の負担増」による「将来への不安」が消費を抑制していると考えており、この部分を解決しない限り、インフラ整備などのハード部分の対策を行っても消費が根本的に回復することはないと思っています。

まったく効果がないわけはありませんが、人口増で高度成長期と同じ対策を行っても、効率はそれに比べて低いといわざるを得ません。

そして、国(国民)の借金がどんどん積み上がっていくことになります。

そうなると、ますます国民の将来に対する不安が増すことになります。

「借金というのは利子をつけて返さなければならない」という当たり前のことを国民は知っています。

是非、将来への不安を解消するような対策をお願いしたいと思います。