2016年

8月

27日

一億総活躍と名目GDP600兆円に向けた取り組みの方向性

2016年8月27日(土曜日)

内閣府のHPに一億総活躍社会の実現向けた方針が発表されています。

一億総・・・という言葉は、日本独特の戦時中によく使われたようなフレーズでものものしい表現に思えますが、それは別として、その中にある「戦後最大の名目GDP600兆円」に向けた取り組みの方向という内容を紹介したいと思います。

以下は内閣府のHPにある内容です。

 「戦後最大の名目GDP600兆円」に向けた取り組みの方向

・強い経済なくして、明日への「希望」を生み出すことはできない。

・「第4次産業革命」が世界を席巻。各国は「待ったなし」の対応が迫られている。このタイミングを捕らえ、未来に向けた投資や、さらなる賃上げ・可処分所得の増加を実現し、消費を拡大。

・新たな産業やサービスの創出を通じて社会的課題を解決し、グローバル市場で付加価値を獲得。

 

(1)第4次産業革命

・政府全体の司令塔として「第4次産業革命官民会議」を設置

・人工知能の研究開発・産業化の推進

・2020年高速道路での自動走行、3年以内のドローン配送実現などデータ

 利活用プロジェクト、規制・制度改革を推進

・初等中等教育でのプログラミング教育の必修化、IT活用による習熟度別

 学習

(2)世界最先端の健康立国へ

・健康・予防に向けた保険外サービス活用促進

・ビッグデータ等の活用による診療支援・革新的創薬・医療機器開発

・IoT等の活用による個別化健康サービス

・日本式医療の国際展開

(3)環境・エネルギー制約の克服と投資拡大

・省エネの産業トップランナー制度を3年で全産業の7割に拡大

・再エネの固定価格買取制度の改正により国民負担抑制と最大導入の両立

・資源安全保障の強化

・節電量買取市場(ネガワット取引市場)の2017年創設

(4)スポーツの成長産業化

・スポーツ施設の魅力・収益性の向上

・スポーツ経営人材の育成・活用とプラットフォームの構築

・スポーツとIT・健康・観光・ファッション・文化芸術等の融合・拡大

(5)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた見える

 化プロジェクト

・2020年をゴールと見立て、改革・イノベーションの成果をショーケース

 化して世界に発信、2020年以降に向けたレガシー(遺産)として後世代

 へ承継

・自動走行、分散型エネルギー、先端ロボット活用など未来を切り拓く

 プロジェクト推進

(6)既存住宅流通・リフォーム市場の活性化

・既存住宅の資産価値を適切に評価する流通・金融等の仕組み構築

・品質と魅力を備えた「プレミアム既存住宅」(仮称)の登録制度創設

(7)サービス産業の生産性向上

・サービス産業の生産性向上を牽引する先導企業の創出

・中小企業等経営強化法に基づき、7分野等で事業分野別の指針策定、

 生産性向上支援

・中小企業支援機関等の活用を通じた地域単位での生産性向上推進

(8)中堅・中小企業・小規模事業者の革新

・地域中核企業の成長・海外展開支援

・IT利活用をはじめとする生産性向上支援

・ローカルベンチマークを活用した、担保や個人保証に頼らない成長資金の

 供給促進

(9)攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化

・農地中間管理機構の機能強化

・生産資材のコスト低減、農産品の流通構造改革

・スマート農業(2020年までに遠隔監視による無人自動走行実現)

・産業界と農業界の連携体制構築

(10)観光先進国の実現

・訪日外国人旅行者数を2020年4000万、訪日外国人消費額2020年8兆円を

 目指す

・地域観光経営の促進、観光経営人材の育成

・地域観光周遊ルートの世界水準への改善

・国立公園のブランド化、文化財の活用促進

(11)地方創生

・日本版DMOや地域商社を通じた地域のブランド確立

・知の拠点としての地方大学活性化や大都市圏への学生集中の抑制等による

 地方定着・移住促進

・地域特性に応じた事業強化を行う地方公共団体を情報面・人材面・財政面

 から支援

・プロフェッショナル人材戦略拠点の活動支援

(12)国土強靭化、ストック効果の高い社会資本整備

・社会資本整備重点計画等に基づき、既存施設を最大限活用しつつ、成長力

 を強化する分野に重点化

・国土強靭化アクションプランを着実に推進。防災・減災の取組を推進

・都市のコンパクト化の取り組みを促進

・PPP/PFI促進アクションプランを着実に推進

 

(13)低金利を活かした投資等の消費・投資喚起策

・現下の低金利環境を活かし必要な投資を進める道筋を検討

・賃金の継続的な引き上げ、下請け等中小企業の取引条件の改善

・国内の需給ギャップを解消する消費の底上げや、従来の消費行動・購買

 行動に変革をもたらし、新たな消費の創出につながる消費マインドの喚起

 を官民連携して実施

 

(14)生産性革命を実現する規制・制度改革

・産業革新の将来像に基づき設定した中期目標からバックキャストして、

 具体的改革を実施する方式の導入(「目標逆算ロードマップ方式」)

・事業者目線での規制・行政手続きコストの削減(規制改革、行政手続きの

 簡素化、IT化を一体的に進める新たな手法の導入)等

 

(15)イノベーション創出・チャレンジ精神にあふれる人材の創出

・企業から大学・研究開発法人への投資を2025年に3倍増

・国内外のトップ人材を集めた世界的研究拠点5か所創出

・民間主導の「地域と世界の架け橋プラットフォーム」整備

・高等教育での数理・情報教育の強化、トップレベル情報人材の育成

・世界最速級の「日本版高度外国人グリーンカード」の創設

 

(16)海外の成長市場の取り込み

・TPPを契機にした中堅・中小企業の海外展開支援

・インフラ輸出拡大に向け、今後5年間に約2,000億ドルの資金供給等

・戦略的な人材育成の実施、「質の高いインフラ投資」の国際的スタンダー

 ド化、円借款および海外投融資の一層の迅速化

・自治体の戦略的な外事誘致活動に向けた支援策の充実

・日EU・EPA、RCEP、日中韓FTA交渉をスピード感を持っ推進

これら16の取組で名目GDP600兆円を実現するということのようです。

内容の中に、聴きなれない言葉がいくつかありますので説明します。

(1)第4次産業革命

人工知能やIoTそしてビッグデータ分析技術などを駆使して、人と人・人と機械・機械と機械などが有機的につながることで製造業をはじめあらゆる産業が自動化・効率化される革新

(11)の日本版DMO

地域の観光地経営の考えに基づいて、戦略策定・計画・実施にわたり関係者と調整を取りマーケティングまで実施していける法人組織

(12)PPP/PFI

公共施設等の整備・運営に民間の資金やノウハウを活用して、官ではできない効率的で高度な公共サービスを実現する官民パートナーシップ

(16)EPA、RCEP

EAPは経済連携協定のことです。

RCEPは東アジア地域包括的経済連携のことです。

16の取組の内容を読んでみた私の感想は、総花的で各省庁が出してきた内容を羅列したような感じを受けたということと、今までやろうとしていたこととあまり変わりないという感じを受けました。

日本におけるGDPの最大の問題は、まず内需では人口減と高齢化です。それにより需要よりも供給が過多となっている状態が続いているためために構造的にデフレ圧力がかかっています。子育て支援や一億総活躍ということで、専業主婦の共働きへの移行、高齢者の引退延期などを政策に挙げていますが、外国人労働者の移住促進による労働人口の維持と消費についてもっと積極的にならないと抜本的に解決しないと思います。

また、規制について優先順位の高い取り組みを阻害しているものは、いつまでに撤廃するというような思い切った施策を出して、民間企業がそれに向かって投資できるようにしなければ600兆円GDPという高いハードルを越えることは難しいと思います。

抜本的で的を絞った政策をお願いしたいと思います。