築地市場豊洲移転問題

2016年10月16日(日曜日)

小池都知事になってから、築地市場の豊洲移転問題に関して、毎日のようにメディアで取り上げられています。

2000年に入り、石原都知事時代に豊洲移転が決定されたようですが、たくさんの問題があるように見えます。

まず、日本の国内の魚介類の消費量は年々落ちており、築地市場を通さずに取引される量が増えており、更に、インターネットの普及に伴い、漁民から小売りそして最終消費者へ販売するルートも増加しているという経済的側面があります。

帝国データバンクの調査によれば、2003年1月から2016年8月までに築地市場で事業を行ってきた企業の111軒が倒産または休廃業しており、その数は増加傾向にあるということです。

従って、中央卸売市場という箱自体が現在および将来にわたってどのような役割を果たしていき、どのような機能を持つべきなのかという問題が明確にされないまま、新しい箱を作ったという感じがします。

築地市場の事業者のアンケートでは8割近い事業者が移転に反対しているという話があり、移転費用を賄えないでやめてしまう卸もあるようです。

また、豊洲の盛土問題もいつの間にかコンクリートの空洞になっていて、責任者が明確になることもなく、総責任者であった石原元都知事は、「だまされた」といっていましたが、その後それは石原元都知事から出た話という展開になり、調査に全面的に協力するといっていましたが、最近になって腰が引けています。

さらに、豊洲で開業予定の集客施設「千客万来」に関して、都道の使用について制限が設けられたことから、大和ハウスやすしざんまいなどの民間企業も相次いで撤退するという事態になってしまっています。

民間企業の投資案件としては、この状態では投資を回収できないという明確な判断が下されたという証です。

そして、豊洲移転後の築地の跡地の利用については、環状2号線の建設までは決まっているようですが、それ以外は白紙という状態です。

これに関して、歴代都知事も明確なグランドデザインを出していません。

一方、週刊誌では、この移転問題に関して都議会議員や元都知事の関連企業が、移転に関する事業を次々と請け負っているという問題も指摘され、利権塗れの移転騒動という様相を呈しています。

それに従って、予算もどんどん膨れ上がるという始末です。

ざっと見ても、これだけの問題があり、ちぐはぐな継接ぎだらけのプロジェクトマネジメントぶりです。

この問題の根本原因は、会社でも同じですが、移転先と移転後の食の物流の将来と東京の将来を見据えたグランドデザインが示されていない、責任者が明確にされていない、監査機能がない、という「3無い状態」です。これは、都知事、都議会、都職員の重要な機能であり、それを曖昧にし、且つ、それを利権として利用しようとまでしたなら罪は重いと思います。

東京都というのは、日本で唯一といっていい、国の補助を受けていない都道府県であり、その分、国の監査が入らないことと、世界中の多くの国よりも豊富な予算を持っており、利権構造になりやすいという構造的問題を抱えています。

小池都知事には、アジアのビジネスハブ東京の将来を見据えたグランドデザインの構築を行ってもらい、それに沿った行政の改革を行っていただきたいと思います。