2016年

11月

20日

若者の結婚願望・子育て願望

2016年11月20日(日曜日)

11月1日に、国立青少年教育振興機構から「若者の結婚観・子育て感に関する調査」という内容が発表されました。

そこで、見えてきたことは、平成20年度と比較して平成27年度の調査では、男性の結婚願望・子育て願望の驚くべき低下です。

実際に国立青少年教育振興機構のデータを見てみたいと思います。

■結婚願望

                        男性      女性

                  20年  27年  20年  27年

早く結婚したい           17.4% 12.1%   23.4%    25.5%

いい人が見つかれば結婚したい    42.1% 27.4%   41.0%    33.3%

いつか結婚したい          25.7% 33.6%   24.2%    25.5%

結婚したくない                                11.9% 21.6%     7.9%    12.9%

その他                                             2.9%   5.3%     3.4%      2.8%

皆さん、この数字を見てどう思われますか?

驚くべきことに、早く結婚したいという質問では、男性は5ポイント以上下がっているのに、女性は早く結婚したいという数字が上がっています。

いつか結婚したいという非常に漠然とした願望は、男女ともに増加していますが「いい人が見つかれば結婚したい」という直近の具体性が出てくる質問に対しては大きく減少しています。

そして、「結婚したくない」という数字では、男性の数字は一気に上がっています。女性はそれほどでもなく早く結婚したいという数字が上がっていることは大きな変化です。

この数字が意味するものは何かという分析ですが、「一言でいうと女性の社会進出の政策・トレンドに対して男性の結婚・子育てに対する腰が引け始めている」という感じです。

世の中は、男女共同参画社会という方向性に向かっていて、家事・育児・仕事も含めて、夫婦2人で共同で行うことが進んできました。

そして、仕事をしながら積極的に家庭の家事や育児を行う男性の理想像をマスコミなどで報道され、それがかっこいいというようなトレンドになっています。その傾向が進んだことで、女性の結婚感が変化してきて、共同で家事・育児を共同でやりながら仕事もこなせるなら結婚したいというトレンドになってきたのと言えるかもしれません。

一方、男性の方はこの数字と社会の流れを同時に見たときに、そのトレンドに対して当然と思っているけれども自分ができるのかという不安の方が大きくなっているのではないと思います。

その裏付けとして、結婚しない理由についての質問に対するデータがあります。

            男性    女性

一人の方が楽である   55.8%        45.2%

経済的な理由で結婚しないでは、女性の方が高いのですが、一人の方が楽であるでは男性の方が10ポイントも高くなっています。

理想は分かるが、自分にはできるか自信がないという悲しい思いが伝わってきそうです。

次に子育て感にも触れてみたいと思います。

■子育て願望

                        男性      女性

                  20年  27年  20年  27年

結婚したらすぐにでも欲しい     16.6% 13.6%    17.3%  19.8%      夫婦2人の生活を十分に楽しんだ後

に欲しい              24.5% 20.1%    27.3%   26.5%

夫婦生活が安定したらほしい     41.4% 32.2%    38.3%   26.4%

結婚したいとは思わないが

子供は欲しい              2.5%   3.6%     1.7%     2.8%

子供は欲しくない                              10.9% 22.7%    11.3%   21.0%

その他                                              4.0%   7.8%      4.2%     3.5%このデータからも、女性の積極性とそれと対比するように男性の子育てに関する願望の低下が顕著になっています。

特に「子供は欲しくない」が男性の方は倍以上になっていることがとても気になります。

現在、社会的に女性の社会進出を進める政策が行われ、社会的にもその方向で進んでいることに何の異論もありませんが、男性に対する何らかのモチベーションを上げるような政策を入れていかないとと、ゼロサムゲームのようなデータを目の当たりすると思ってしまいます。

また、このデータで着目すべきは、大きな数字ではないのですが、「結婚したいとは思わないが子供は欲しい」という人たちが、男女ともに増えているということです。「子供は欲しくない」という傾向の中で男女ともに「結婚はしたくないが子供は欲しい」という人が増えている点は重要です。

フランスなどは、結婚という契約を交わしている人たちの子供よりも、事実婚による子供の方が多く、政府も結婚という契約に関わらず、事実婚という事実があり、子供がいれば結婚している家庭と同じような優遇が受けられます。

この点は、以前にも指摘しましたが、日本の少子化の状況は契約をしていなければ認めないというような状況ではないと思っています。

事実、フランスは他の政策と連動させて出生率の改善を果たしています。

しかし、今回のデータを見て改めて男性の結婚・子育てに対する意識が低下していることに驚きながら、人口問題の解決は本当に厳しい状況と判断せざるを得ません。

更に詳しい情報は、下記の国立青少年教育振興機構のHPをご覧ください。

データ出典

国立青少年教育振興機構から「若者の結婚観・子育て感に関する調査」