植える林業から切る林業へ

2017年4月9日(日曜日)

3月のブログで、私事の花粉症の話から、抜本的な花粉症の対策は杉の木を必要最小限に伐採して、戦後拡大した人工林を、元々あった広葉樹の森の戻すことですという内容を書きました。

人間の肉体というのは、何万年という長い期間の中で、その自然に合う形で対応できるように進化してきました。

しかし、戦争中に森が破壊され、その後、急激な木材需要に伴い、元々あった森ではなく、建築を前提とした杉を中心とした針葉樹林へと変わってしまいました。その何十年という変化には人間の体が対応できるはずもありません。

その対応不全が花粉症に表れているという個人的な話をしましたが、ちょっと視点は違いますが、日本の森は、植林した木が密になり過ぎて木を切って手入れをすることの重要性を主張されるラジオ番組がありましたので紹介したいと思います。それは、今日のFM東京の「未来授業」という番組で、田中淳夫さんという方が、日本の森について講義された内容です。

今、世界中で森が伐採されて森林が減少している状況が続いているが、日本は戦後から森林が逆に増加している稀な国であるということ。

これは、戦後急激な木材需要によって、杉やヒノキのような建築材が次々と植林されたものであること。

しかし、安価な外材の輸入により木材価格が下落したため、林業が衰退し放置されていること。

戦後植林した木は現在伐採に適した年齢を迎えているが、間伐などをしてこなかったことから密になったまま光の通らない森になっていること。

従って、木を植えることも大事であるが、今優先すべきは成長して密になりすぎた木を切ることの方が重要性が高いこと。

一部の村では、豊かな森を再生するために、木を切ってそれを付加価値の高い商品として販売していく取り組みを始めていること。

それは、今まで通りのやり方ではなく、最終消費者がどのように木を生活に取り入れたい、または、取り入れたらいいのかというマーケットインからの発想で、伐採の処理の仕方を変えていくというものでした。

最後に、田中さんは、木というものは50年100年という長いスパンでしか育たないのだから、50年・100年後の木の需要がどのようなものであるかは分からないが、豊かな森を未来に残して、50年・100年後の人たちが、それを大切に利用する方法を見出してもらいたい、という考え方が重要だと語られています。

森に限らず、自然というものはそのような何百年・何千年というスパンでどうするかを人間は考えて対峙することの必要性を強く感じた番組でした。

また、田中さんは「森と日本人の1500年」という著書も出されているようです。是非、拝読したいと思った日曜の朝でした。