2018年日本経済展望

2018年1月20日(土曜日)

2018年日本経済展望

背景

世界経済はリーマンショック後、金融緩和政策により徐々に景気回復をしており、アメリカなどでは量的緩和を終了し、また、金利を上げることで出口戦略に舵取りを始めています。

実体経済を大きく変化させているICT技術とセンサー並びに情報処理能力の指数関数的な進展により、AI、IoT、ビッグデータ処理を駆使した具体的な産業革命が起きつつある状況が本格化しています。

アメリカ西海岸、イスラエル、EU特に北欧・バルト3国では、ICTベンチャーが雨後の筍のように次々に新しいサービスを作り出し、また、台湾・中国企業が13億人の市場を背景として、先進国の進展をしのぐほどのスピード感で大都市の生活ならびに内陸の生活を近代的なものにしています。

アメリカのトランプ大統領の成果は今のところほとんど見られませんが、法人税の大幅な減税は、アメリカ経済にとって大きなインパクトを持っており、景気拡大の流れを加速させる要因となります。

日本においては、労働人口の減少による人手不足と、少子高齢化が加速しており、忍び寄る超高齢化社会での社会保障費の増大による「保険料のアップ・支給の減額・支給時期の先送り」の三重苦を国民自体が予想した、若者も含めた「老後の不安」と、もの、特に高額品に対する所有欲の減退傾向により、GDPの60%を占める民間消費が伸びていません。企業もそれに伴って設備投資よりも内部留保を増大させ、個人金融資産残高と企業の内部留保が積みあがったまま市場に出ることなくカネ余りの状態が続いています。これらを是正するべく政府と日銀による6年以上にわたる、アベノミクス3本の矢と黒田バズーカ、そして消費税の度重なる増税延期は、2%の物価上昇を達成できないまま、黒田総裁の任期切れを迎えようとしています。

それらの個人と企業の積み上げられた金融資産は、バブル時代と同じように土地・建物の不動産と株に行き場を求めてミニバブルを形成しています。

それに拍車をかけるように、日銀やGPIF(年金ファンド)が株を買い増しており、いわゆる官製相場を形成しています。

しかし、官製相場はどこかのタイミングで縮小されるという宿命を内包しており、市場もそれらを織り込んだうえで今後価格形成されていくと予想されます。

そして、金融緩和・財政出動・消費税の延期により日本の借金残高は、人口が減少する中で1000兆円を超えて、規律もないままに財政健全化は先送りされています。しかし、先送りしたからと言って楽観できるような基本的状況も政策も見当たりません。

AI・IoTをはじめとする今後の経済の中心となるであろう先端技術の知的資産についても、アメリカ・中国に大幅な遅れをとっており、ドイツをはじめとするEU勢の後塵を拝している状況は、将来的な人材・知的資産による経済成長も黄色信号から赤信号になりつつあることを意味します。

世界の企業の時価総額ランキングを見ても、トップ100に入っているのは、トヨタがようやく29位、NTTドコモが86位、NTT90位、三菱UFJFG93位とさみしい限りの状況です。時価総額の相対的順位が下がるということは、将来的に得られる利益額が相対的に少ないと予想されているということであり、買収する側から買収される側にに回るリスクが増大するということを意味します。

この状況の中で、アメリカと中国のIT企業の存在感が増大していることが大きな脅威となっています。

このような世界的な背景のなかで日本は難しい舵取りをしなければなりませんが、経済大国第2位まで上り詰めたレガシーはいまだに勤勉さや学力などのような平均的レベルの高さにおいては工業立国としての底力としては保持されています。(ただし、最近では突出した人材が出にくいという問題をはらんでいるのですが・・・)

そんな背景の中で、2018年日本経済の予測に入りたいと思います。

2018年といえば、オリンピックの前々年という年であり、消費税増税も2019年ですので、オリンピック前の高揚感と世界経済の回復、消費税増税というマイナス要因がないことを考えると2017年程度の緩やかな成長を維持できるのではないかと思います。

中国・韓国をはじめとするアジア圏のインバウンドはさらに増加することは間違いないと思いますが、一方で日本は人口減少するので全体的な消費自体はあまり伸びないことが予想されます。

物価は、人口減による需要低下によるデフレ圧力とエネルギーと食糧品価格の上昇がインフレ圧力として存在しており、値上がりしているエネルギー・食糧を含めれば上昇傾向、それらを除けばマイナスか横ばいというレベルになると予想します。

輸出と輸入で考えると海外生産がさらに進み、原油高を予想すると輸入増が予想され、GDPにとってはマイナスが予想されます。

このような状況から、全体的に2018年の日本経済は2017年の状況のまま維持されるのではないかと予想され、株価は官製相場とミニバブルのままで、24000円前後の攻防になるのではないかと思います。

これらの状況を踏まえて、将来的な事業拡大を目指すためのポイントを抽出して、大まかな2018年の日本経済の展望を終わりにしたいと思います。

これらのポイントについては、一つ一つ非常に大切なポイントでありますので、次回から一つ一つ詳しく説明したいと思っています。

1.人手不足(量)と人材不足(質)の二重の不足が日本経済の最大の問題

2.無人化を促進するテクノロジー「店舗・工場・窓口サービス」

3.「現金払いお断り」の時代が近い将来にやってくる

4.自動運転技術が人とモノの移動を劇的に変化させ、住宅も変えていく

5.モノの売り切り販売型からモノの使用に対する課金型に変化する

6.シェアリングエコノミーは提供者と使用者の相互評価になる

7.お店だけではなく消費者が格付けされていくインターネット社会

8.人生100年時代に向けての価値観