平成30年地価公示

2018年4月1日(日曜日)

国土交通省から、3月下旬に平成30年1月1日の日本各地の住宅地と商業地の土地の価格が公表されました。

本日は、国土交通省のデータを引用させていただき概要をお話ししたいと思います。日本の土地の価格はバブル崩壊までは、土地の価格は絶対に下がらないという神話が当たり前の時代から、バブル崩壊・イラク戦争・リーマンショックの暴落を経験してきました。この動きは日経平均の株価とシンクロする動きを見せていました。

さて、今回発表された内容は、かなり資産デフレが解消されてきたというトーンで報道などで紹介されています。

国土交通省の「平成30年地価公示の概要」を見ますと次のような内容が書かれています。

(1)地価動向

全国平均:住宅地の平均変動率が10年ぶりに上昇に転じた。

     商業地及び全用途平均は、3年連続で上昇。

三大都市圏:住宅地商業地ともに各圏域で上昇。

      大阪圏は、住宅地はわずかな上昇だが、商業地の上昇率は三圏

      で最も高い。

地方圏:住宅地は下落幅縮小が継続、商業地は26年ぶりに上昇に転じ、

    全用途平均でも下落を脱した。

 

また、その背景として以下の内容があります。

(1)住宅地

雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続による需要 の下支え効果もあって、利便性の高い地域を中心に地価の回復 が進展。
(2)商業地

良好な資金調達環境の下、以下の背景から不動産需要は旺盛 であり、地価は総じて堅調に推移。
・外国人観光客の増加などによる店舗、ホテル需要の高まり ・都市中心部における再開発等の進展による繁華性の向上 ・主要都市でのオフィス空室率の低下などによる収益性の向上。

これらの情報だけから判断すると、景気回復・インバウンドにより土地価格は順調に推移しているようにも見られます。

確かにリーマンショック以降は、全体的に前年と比較すれば徐々に回復しているデータとみることができます。

しかし、その下のほうにある「地価変動率の経年推移」というデータを見ますと大きなトレンドとしては上昇基調とは言えない状況です。

平成20年と比較した地価指数を見ますと

全国の住宅地は平成20年の10年前と比較して86.0%で、東京ですら10年前の92%程度となっています。

商業地を見てみましょう。同じように平成20年と比較して、全国で84.6%、東京で96.5%となっており、10年間のマクロ的な価格推移は下落しているということになります。

また、ミクロな視点で見ますと、住宅地では利便性の高い土地はかなりの比率で上昇していること、また、商業地では都心とインバウンド需要を見込める地域の上昇が顕著となっています。そして、全用途としては、三大都市圏と地方の拠点(札幌・仙台・福岡)などの地域の健闘が目立ちます。

都市圏・インバウンド・利便性といったキーワードに合致する地域はこれからも土地需要が見込め、それ以外は下落していくという2極化がますます顕著になりそうな気配です。

最後に、土地の価格については株価と同じように、量的緩和、低金利政策の中で行き場を失ったマネーが入りやすく、バブルを形成しやすい性格を持っています。いまの状態がある程度その流れにあるという側面もとらえておく必要がありそうです。