働き方改革法案2

2018年7月1日(日曜日)

6月29日に働き方改革法案は、参議院を通過し可決成立しました。

残業時間の上限規制と違反に対しての罰則規定、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナルなどの人材に対する成果報酬制度の導入などの内容が中心に議論されているところです。

 前回のブログで、法案とは関係なく、いろいろな働き方を選択する人たちを同じ職場で活躍できるようにしていくことが今後とても重要であるということを書きました。

 それは、なぜかといえば、労働生産年齢人口の激減という日本が抱える構造的問題が急激に人材・人手不足の状況を作っているからです。

 日本の景気が良くて人手不足となっているわけではないことは、海外の状況と比較して一目瞭然です。アメリカは、インフレが進むことを想定して政策金利を幾度も上昇させていますし、EUも金融緩和策からの出口戦略を始めようとしていますし、隣の中国は、あっという間に日本のGDPを抜き去り、その差は開くばかりの状況です。

 日本の経済といえば、アベノミクスはどこかへ消え去ってしまい、日銀のインフレターゲットは、「そうなったらいいな「」程度」にトーンダウンしています。

 しかし、有効求人倍率は上がるばかりの状況です。これは、労働人口の減少という日本が構造的に抱える問題が原因と結論せざるを得ません。そして、この問題は、人口推移という最も将来予測が可能な事実を示していて、少子化も影響し、人材・人手不足は続くことは目に見えています。

 このような状況で、企業が勝ち抜いていくためには、政府がやろうとしていることの、法案的な対処だけではなく、基本的な会社の戦略を、この人材・人手不足の中でどのように進めていくかという明確な方針をベースに持つ必要があります。

ひとつは、人材・人手不足中で、生産性を上げるためにできる機械化・IT活用の方針の決定です。

もう一つは、人事戦略のダイバーシティに対応できるものにして、優秀な人材がいろいろな働き方を選択できるようにきめ細かい対応をする必要があるということです。

今までは、顧客に対応していたようなきめ細かな対応を、現在の人材・人手不足の状況という環境に合わせて労働市場に対して導入していく必要があります。つまり、新卒一括採用、就業規則ひとつでみんな同じ待遇という制度では、優秀でありながら、いろいろと時間の制限や、場所の制限がある人材を逃してしまう危険性があるということです。

働き方改革法案は、罰則規定があるので対応することはもちろん必要ですが、そればかりに目をとられて現状の人事制度の中で対応しようとして、職場の現場運営とモチベーションに歪を生まないように気を付ける必要があります。

この法案成立を機会に基本的な人材戦略を、人材確保と生産性向上の2つの視点から見直してみることも、将来に向けての企業戦略にとって重要になっていると思います。