日銀総裁会見に見る日本経済の行き詰まり感

2018年8月5日(日曜日)7月31日に行われた日本銀行金融政策決定化合後の黒田総裁の記者会見を見て、日本経済の現状および先行きの厳しさをあらためて実感しました。記者の質問対する黒田総裁の苦しい言い訳のような説明が目立った会見でした。

黒田総裁が日銀総裁に着任また今年再任されてからの発言で一貫している内容は「金融政策運営については2%の物価ン低目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短期金利操作付き量的質的緩和を継続する」ことを政策として、市場にお金をジャブジャブにすることで企業・家計の投資や消費を促そうと、国債を買い取り、株やJREATの買い取り、ゼロ金利、日銀に民間銀行が預けるお金に対するマイナス金利など副作用を伴う処方薬を日本経済に対して与え続けてきました。

それは、2013年4月日銀総裁着任においてアベノミクス(今ではほとんど忘れ去られているワードになりました。)の最大の目玉として、金融の異次元緩和(黒田バズーカ、このワードも死語になりつつあります)を発して2年間(つまり2015年に)2%の物価上昇の実現といういわば2年間においての一時的な対応として処方された薬だったのですが、目標の回復を達成することなく3年、4年、5年、6年と経済回復の特効薬であるとの認識で投薬が続けられました。

しかし、国債・株・JREATなどの買い取りによる金融市場のゆがみや、超低金利政策の長期化による民間銀行の利益圧迫など、金融エコシステムを操作しようとするが故の副作用がこの政策にあることを忘れてはいけないと思います。

一方、海外ではアメリカやヨーロッパについても同じように対処療法的に金融緩和は行われてきましたが、現在では出口へ向かって着実に歩みを進めており、アメリカでは継続的な金利上昇政策に転換し加熱する物価上昇を抑えようとする動きに転換しています。

しかし、今回の黒田総裁の発言を見ても、「マクロ的な需給ギャップ改善を続けるもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化し、中長期的な予想物価上昇率も高まるとみられる。この結果、消費者物価の前年比プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えらる」というような得意の「上昇モメンタムの継続」をステレオタイプに強調していますが、2%の安定的な物価上昇の時期や出口戦略の話になると、テンションが低くなり、継続して量的質的金融緩和の投薬を続けるという6年間ずっと同じ処方の仕方を繰り返しているだけです。つまり、いままで目標を達成できなかったじっ処方をこれからも長期化して実施していきます。フォワードガイダンスも導入します。TOPIX銘柄の株も買います。というような枝葉の話もありますが、基本的な政策は何も変わらない、そして出口は近くにはない、海外の景気頼み、労働市場の人手不足による賃金上昇期待という面が強く印象づけられました。

これが一国の中央銀行の総裁の記者会見かと思うと同時に、それを言い続けなければならない立場に立たされているんだろうなという思いで会見を見ていました。そもそも、政府は、アベノミクスについて最近ほとんど言及しなくなっています。消費税増税の度重なる延期をしても達成することができなかった「安定的な2%の物価上昇」は、実は、政府が2年間で達成するというコミットメントだったはずです。日銀による異次元の金融緩和政策は、アベノミクスの3本の矢(これも忘れ去られてるんでしょうね)の一部であり、「機動的な財政支出」「民間投資を喚起する成長戦略」の2つと合わせてアベノミクス3本の矢を用いて2%を達成するということでしたので、2%の物価安定については、政府が説明責任を持っていると思うのですが、いまや、日銀の黒田総裁に丸投げしたような状態になっています。今では、総合型リゾート(IR)実施法案や参議院定数6増法案などの国民生活には関係ないことを急いで国会を通過させている状態です。

このままでいくと、アベノミクスの2%の物価安定は実現することなく、2019年10月の消費税増税と次の年の東京オリンピックを迎えてしまうことになりそうです。

そもそも、私の分析では、この異次元の金融緩和政策という処方箋が効く前提というのは、まず国の人口構成がピラミッド型の安定的な体型を維持していることと、その安定的な体力により生産と消費の力が潜在的に内部に蓄積されていて、さらに心理的に将来に向けての不安よりも希望が保たれているけれども一時的な病気により熱を出し寝込んでしまったというよな状態に対して効くものだと考えています。

しかし、現在の日本の状況は、人口減少、少子高齢化、という日本の体力的な減退といフィジカル面の問題と、社会保障制度の将来的老後の不安が蔓延しており消費性向よりも貯蓄性向が高く、若者まで老後の心配をしており、それを払しょくできるような政策もありません。

この状況において私が必要だと思うのは、薬の投与ではなく、外国人の受け入れてです。しかし、今政府が進めているような人手不足だからその対処のための受け入れではなく、日本の人口減と老齢化した人口構成を体力的に回復できる「生活者」「労働者」「消費者」「多様化」としての外国人の積極的で制度をしっかり整えた受け入れ政策以外にはないと思っています。外国人の受け入れには、いろいろな問題もでるということはもちろんあるでしょうが、世界の先進国では外国人の活躍があって経済が成り立っているという状況になっています。グローバルの世界の中で多様性を受け入れない国はこれから孤立の道をたどる可能性が高いと考えています。

実は、最近の日本では語学留学などを理由に多くの外国人が居住しており急激に増えています。前回のブログでも書きましたが、私の住んでいる新宿の20代の人口の3人に1人は外国人占められています。しかし、外国人の受け入れ政策は後手後手であり、しっかりとした制度を作らないまま対処療法的に、また、、なし崩し的に外国人が増加していることは問題です。労働者というだけではなく生活者として日本に対応できるような支援策が至急求められていると思います。